- 現行制度の3つの問題点
- 現行と改正後の比較
- 改正内容の詳細(5つのポイント)
- 施行スケジュール
- 注意すべき点・残された課題
- 今から準備しておくこと
暗号資産(仮想通貨)取引による所得は現行制度では「雑所得(総合課税)」として扱われており、個人投資家から長年にわたり改善が求められてきました。
給与所得等と合算される累進課税のため、所得水準によっては税率が最大55%(所得税45%+住民税10%)に達します。利益の半分以上が税金になるケースも。
株式は損失を翌年以降3年間繰り越せますが、暗号資産は年をまたいだ損失の繰越控除が認められていません。ボラティリティの高い資産には特に不利な制度です。
米国は20%、シンガポールは長期保有で実質0%。日本の最大55%は国際的に突出して高く、国内投資家の流出や市場縮小を招いていました。
「特定暗号資産」の取引から生じる所得について、他の所得と分離して一律20%(所得税15%+住民税5%)で課税されます。これは株式・投資信託と同じ水準です。
暗号資産取引で損失が生じた場合、翌年以降3年間にわたって特定暗号資産の利益と相殺できます。
→翌年へ繰越
=200万に課税
(300万×20%)
すべての暗号資産が対象になるわけではなく、金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産(特定暗号資産)に限られます。
※具体的な対象銘柄は金商法改正後の政令等で明確化される予定です。
暗号資産取引業者が投資家の取引情報(氏名・住所・マイナンバー・取引内容等)を翌年1月31日までに税務署へ報告する義務が新設されます。分離課税の適用開始から1年遅れて施行予定です。
暗号資産の位置づけ変更に伴い、消費税上の扱いが「支払手段に類するもの」から「有価証券に類するもの」へ変更されます。消費税は引き続き非課税ですが、課税売上割合の計算(分母への算入)に影響が生じる点に注意が必要です。
新税制の適用開始は「金融商品取引法の改正法の施行日の属する年の翌年の1月1日」とされており、金商法改正の進捗次第です。現状では2028年1月施行が有力とみられています。
施行まで時間があるとはいえ、今から準備しておくことで移行時の混乱を防ぎ、メリットを最大限活かせます。
掲載日:2026年4月 当事務所では暗号資産の税務に関するご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。
