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医学生の奨学金と税制改正

平成28年度所得税法改正

· 所得税,医学生,奨学金,非課税,医療

医学生等に貸与した修学等資金に係る債務免除益の非課税措置

こちらは、厚生労働省の税制改正要望により平成28年度に所得税法の改正に至った話のものです。この制度は、地域の医師(特に地方の医師)の確保のための策として、医学生に対し、奨学金を地方公共団体が貸与し、医学生が卒業後一定期間、その地方公共団体が指定する医療期間で勤務したことを要件に、奨学金の返済を免除する制度です。これに伴って、税制上の取り扱いが異なるケースが生じてしまったために、平成28年に所得税法改正となりました。

この奨学金の返済を免除する制度について、要件は、卒業後一定期間、指定された医療機関に勤務したことを要件になりますが、この勤務先によって、課税の取り扱いが生じたため、これを是正するものです。その勤務先が地方公共団体の設置・運営する県立病院や市立病院等である場合には、その債務免除益は、使用者から受けるものとなり、給与その他の対価の性質を有するものとなり、給与所得課税とされていましたが、その勤務先が県立病院や市立病院等以外の病院である場合は、非課税の学資金として、給与所得として課税されていませんでした。これらの課税上のアンバランスを回避するため、県立病院や市立病院等に勤務する場合でも債務免除益は、非課税となりました。

なぜこのような課税上の違いが生じてしまったのかというのをかみ砕いてご説明すると、前者のケースは、雇用主である県立病院や市立病院等が貸与した奨学金を免除しているので、それは、給与ですよねと言った理屈によるものです。後者のケースは、免除しているのは、地方公共団体で、勤務しているのは、地方公共団体とは関係のない病院等ですので、給与にはなりえないので、そもそも非課税となりますというものでしょう。

ここからは、細かい話になりますが、所得税法第9条1項十五号に以下の様に記載されています。

学資金のうち、法第9条第1項第15号イからニまでに規定する給付(一部省略)は、原則として、給与所得を有する者に対する給与に該当するのであるから、当該給与所得を有する者に対する給与等(一部省略)として課税することに留意する。

  • イ 法人である使用者からその法人の役員に対して給付されるもの
  • ロ 法人である使用者からその法人の使用人(役員を含みます。)の配偶者その他のその使用人と特別の関係がある者に対して給付されるもの
  • ハ 個人事業主からその個人事業主の営む事業に従事するその個人の配偶者その他の親族(その個人と生計を一にする者を除きます。)に対して給付されるもの
  • ニ 個人事業主からその個人事業主の使用人の配偶者その他のその使用人と特別の関係がある者(その個人と生計を一にするその個人の配偶者その他の親族を除きます。)に対して給付されるもの

上記ロでいう特別の関係がある者とは次に掲げる者をいいます(所令29①)。

  1. 上記ロの使用人の親族
  2. その使用人と事実婚の状況にある者及びその者の直系血族
  3. その使用人の直系血族と事実婚の状況にある者
  4. 1.から3.までの者以外の者で,その使用人から財産的援助により生計を維持している者及びその者の直系血族
  5. 1.から4.までの者以外の者で,その使用人の直系血族から財産的援助により生計を維持している者

以上の1.から5.までに掲げる者は,上記ニの個人事業主の使用人と特別の関係がある者についても準用されます( 所令29②)。

 

これにより、使用人の配偶者や親族等が給付を受けるものは課税対象とされますが、使用人自身が受けるものは、上記イ~二までに掲げるもの及び1.~5.に掲げる者のいずれにも該当しませんので、非課税とされます。

参考記事

https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/386239/

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