平成29年度路線価の公表
毎年この時期になると、路線価が国税庁から公表されます。 路線価というと我々の業界や不動産の業界では、ある程度浸透している言葉なのかもしれませんが、一般の方にはあまり馴染みのないものかもしれません。 路線価(ろせんか)は、市街地的形態を形成する地域の路線(不特定多数が通行する道路)に面する宅地の、1m2当たりの評価額のことをいいます。
ちなみに、都道府県庁所在都市の最高路線価の対前年変動率については,上昇した都市が27都市(前年25都市),横ばいの都市が16都市(同17都市),下落した都市が3都市(同5都市)でした。また,都道府県庁所在都市の最高路線価が全国で最も高かったのは鳩居堂前で,バブル期に記録した路線価最高額を更新しました。バブル期ほどの景況感を感じないものの、一部ではバブルを上回る価格の上昇が意味するところは、今後の不動産の市況として、やはり都市部の価値の増加傾向で、地方は、価値の下落傾向に向かっていくのではないでしょうか。
私も早速クライアントの土地の評価等で、平成29年の路線価を確認しましたが、都内は、基本的に5~15%ぐらい上がっている感触を受けました。あとは、京都の路線価もかなり上がっているように感じます(あくまで私が確認したところだけですので、全てを確認してのコメントではありませんが、全体的に見ても京都は10%以上の値上がりという事なので、そんなに間違えてはいないかと思います。)。これは、やはり民泊の影響が多分にあるかと思います。
類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等の公表
非上場株式の評価をするにあたって、相続税法上の評価を使ったりすることが実務上多々あります。この相続税法上の評価として、主要な要因となって来る2つの評価方法に、純資産価額方式と類似業種比準価額方式というものがあります。純資産価額方式というのは、その名の通りで、純資産価額(資産△負債)の数値を基に評価を行っていくものです。一方、類似業種比準価額とは、その非上場株式の会社と同業他社の上場企業の一定の指数を基に、評価を行っていくというものです。この一定の指数についても、平成29年度において、改正がありました。まずこの指数は、今までは、上場企業の単体ベースで作成されていましたが、今回の改正により、連結ベースでの数値に更新されるということでした。実際に新しく公表された連結ベースの数値を基に株価評価を何社か行いましたが、価値が増えているところもあれば、減少している業種もあり、一概に株価対策にどのように影響が生じるかを説明するのは難しそうです。それよりも、私のHP上でも説明させて頂いている計算方法の改正による影響の方が強いです。簡単にこちらについて説明すると、この改正は、利益がかなりいっぱい出ているけど、まだ創業間もなかったり、過去の利益の蓄積があまりない会社にとっては、株価は下がる方向に向かいます。逆に、昔はすごい業績が良くて、過去の利益の蓄積があるけど、最近の業績は思わしくないといったような会社には、株価が上がる方向に向かってしまいます。
いずれにしても、株価対策をする上で大事なのは、改正がわかった段階で迅速にそれに合わせた対応を図っていくという事です。株価対策でお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
三瀬国際税務会計事務所