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過去の申告漏れの指摘の可能性も…
外国の金融機関等を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するため、OECDにおいて、非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準である「共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」が公表されました。日本を含む各国がその実施を約束しました。こちらの制度は、平成29年分以降の口座情報が対象となるため、平成28年分以前の口座情報はこの制度では把握できないですが、今回の情報から口座の有無を確認し、納税者本人にヒアリング等の方法で、過年度の申告漏れや租税回避行為がないかを調査の対象とされる可能性が生じました。ちなみに、実施予定国及び地域一覧は、以下の通りです。
※国税庁HPより抜粋
こちらを見る限り、ケイマン諸島やバミューダ諸島といういわゆるタックスヘイブン国も対象となっている。個人名義だけではなく、法人名義もCRSの対象となるようです。また、銀行の預金口座だけではなく、生命保険契約や証券口座等ももちろん対象となります。また、平成27年度税制改正(平成29年1月1日施行)により、平成29年1月1日以後、新たに国内に所在する金融機関等で口座開設等を行う個人・法人・組合等は、金融機関等へ居住地国等を記載した届出書の提出が必要となります。パナマ文書等により明らかにされた所得のタックスヘイブン国への移転がこれからは少しずつ取り締まりを厳しくしていく世界的な流れなのかもしれません。
三瀬国際税務会計事務所